デザインは引き算

  • 「やめること」を先に考えよう

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20051228/p4

梅田さんのエントリー、いいですねぇ。「やめる」と聞くと一見ネガティブな印象をうけますが、それを表だって行なうことで、洗練された生き方を創りあげる。
デザインの世界では、哲学の一つとして「デザインは引き算」とよく言われるらしいです。梅田さんの「やめること」の設定はまさしく、ライフデザインの「引き算」なのでしょう。


少し違う所に目をやりましょう。

プログラミング言語の世界でも、言語仕様を制定する方々を「言語デザイナー」と呼ぶことがあります。このように、「言語をデザインする」という考え方をしたとき、「デザインは引き算」という哲学を一番貫いているプログラミング言語は、私が最も愛するプログラミング言語Scheme」でしょう。
Schemeは「引き算的デザイン」で洗練された結果、自身が組込みで持っている機能の数は、他の言語に比べ非常に少ないです。ですが、その洗練された機能一つ一つの力は絶大で、それらを組み合わせることにより、他の言語では実現できないような「表現」を可能にします。このSchemeにも宿る「デザインは引き算」の哲学が、私を魅了す大きな要因なのだと感じます。


ところでつい最近、小野和俊さんの以下のエントリーが話題になりました。

http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50054257.html

  • プログラム・デザイナー宣言

http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50055039.html

  • 続・プログラム・デザイナー宣言

http://blog.livedoor.jp/lalha/archives/50058753.html

ざっと概要を説明すると、プログラマは「職人プログラマ」「プログラム・デザイナー」「UIデザイン・プログラマ」に分類できるという内容です。このエントリーを見て、私が本当に目指している方向は「プログラム・デザイナー」なんだなぁ、とヒシヒシ感じました。
小野さんは先の「プログラム・デザイナーと職人プログラマー」のエントリーのなかで、「すごいプログラマ」は「職人プログラマ」から「プログラム・デザイナー」に変遷しているのではと語られています。私もそう思います。いま現在、「プログラマ」に望まれている能力は、プログラムをデザインする能力なのでしょう。


私はいちプログラマとして、これから先も「プログラム・デザイナー」という道を目指して行くでしょう。そして、いちデザイナーとして「デザインは引き算」という哲学を貫き、「すごいプログラマ」になって行きたいです。